遺産分割協議

遺言がない場合や遺言で指定されていない財産がある場合、遺産分割協議を行うことによって相続財産を各々の相続人で分割することができます。遺産分割協議を行わずに法定相続分に従って相続することももちろん可能ですが、誰が何をどれだけ相続したかを明らかにするために遺産分割協議書を作成しておくことは後々の紛争予防のためにも効果的ですし、相続財産として何がどれだけあったのかを整理することもできるので一度協議をしておくと良いでしょう。

遺産分割協議を行うにあたっての注意点

遺産分割協議書を作成するにあたって特に方式が法定されているわけではありませんが、誤解を避けるため、不動産であれば登記簿上の表示、金銭であれば金額等、財産を特定できるだけの最低限の情報は記載すべきです。相続財産の記載漏れや後々遺産の存在が判明することもあるため、「記載のない財産は全て◯◯が相続する」や「記載のない相続財産の存在が判明した場合は別途協議する」等の記載をしておくと良いでしょう。なお、分割は遺産の全てについてする必要はなく、一部についてのみの分割協議も有効です。

また、遺産分割協議は相続人の全員で行う必要があり、1人でも相続人が協議に参加していなかった場合、当該遺産分割協議は無効となります。従って、遺産分割協議を行う前段階として被相続人の戸籍を出生の記載があるものまで遡って取得し、誰が相続人であるかをきちんと確定させておく必要があります。

遺産分割における各相続人が相続する割合(相続分)に関しては、民法に法定相続分の規定がありますが(民法900条)、必ず法定相続分を遵守して遺産分割を行わなければならないということはありません。
従って、お互いの取り分に関してあまり気にされない相続人同士の協議であればどんぶり勘定で分割しても問題となることは少ないでしょう。
しかし、法定相続分通りに分割を行う場合、「特別受益」と「寄与分」に関する規定に注意が必要です。
特別受益とは、相続人の中で被相続人から遺贈や婚姻、養子縁組、生計の資本として贈与を受けた者がいる場合に(民法903条)、寄与分とは、相続人の中で被相続人の事業に関して労務を提供する等して相続財産の維持又は増加について特別の寄与をした者がある場合(民法904条の2)に、相続人間の公平のために相続分算定の際に考慮される制度です。

相続人の中に未成年者が含まれる場合、原則としてはその法定代理人である父又は母が当該未成年者に代わって協議をすることになりますが、父又は母も相続人であるケースがほとんどでしょうからその場合は家庭裁判所に対して特別代理人の選任を申し立てなければなりません(民法826条)。なお、父又は母が相続放棄をすることによって相続人でなくなっている場合は当該申立は不要です。

遺産の分割方法

遺産の分割方法には「現物分割」、「換価分割」、「代償分割」というものがあります。

現物分割とは、例えば、甲不動産は長男に、乙不動産は次男に、丙株式は三男にといった具合に個々の財産を各相続人に分配していく方法のことで、最も一般的な分割方法です。

換価分割とは、例えば、相続財産である不動産を売却してその売却代金を相続人に分配するといった方法です。不動産のように現物分割をすることが困難な財産や、現物分割をすることで価値を損なう可能性がある場合に行われることが多い分割方法です。→不動産の売却代理について

代償分割とは、例えば、相続人が長男と次男である場合において、甲不動産を長男が取得し、長男が次男に金銭を支払うといった分割方法のことをいいます。共有を避けることが望ましい財産(相続人のうち1人が現に居住している家屋、オーナー株式、営業用資産等)に対して用いられることが多い方法です。

以上の方法による他、相続財産の全部又は一部を相続人の共有とすることももちろん可能です。

当事務所にご依頼頂いた場合

当事務所にご依頼頂いた場合、遺産分割協議書の作成はもちろんですが、その前提となる戸籍の収集や財産目録の作成、各相続財産の分割方法に関する法的アドバイスもさせて頂きます。どのように財産を分割したら良いか分からない場合をはじめ、遺産分割協議を行うに際しての疑問等ございましたら、些細なことでもお気軽にご相談下さい。

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